木の文化を感じる31のキーワード

07 日常を演出する新しい木

日常を演出する新しい木

加賀市山中の生地師の卓越した技術で木を極限まで薄く削り、
木目が透けて見えるランプシェードを製作。
今までにない使い方で木をくらしに取り入れる動きがあります。

木は建材や家具だけでなく、造形のしやすさやあたたかみを感じさせる素材の良さからインテリアや小物などに活用されています。木や竹を使った行灯など、木を使った照明器具は古くから私たちのくらしをやさしく照らし続けています。そのなかでも、木の木目を光で透かす照明というユニークなものが「山中ウスビキライト」です。石川県にある漆器の3大産地の特徴を語る際に、「塗りの輪島」「蒔絵の金沢」、そして「木地の山中」と呼ばれ、山中は挽物木地では日本一の生産量を誇っています。山中ならではの卓越した技術を持つ職人により、照明を当てるとお椀が透けて見えるほどに薄く挽いたお椀の照明器具は、普段見ることができない木目が透けて見えるユニークなもので、薄くて軽いので照明機器としても使いやすいです。木が灯す幻想的な灯りがくらしをやさしく彩ってくれます。

Interview

山中の職人技が生み出す照明器具

山中漆器ではお椀を主につくっていますが、漆器店と新商品開発をする機会があり、既存のマーケットとは別のところでの商品開発ができないかを考えていました。お椀を1ミリもないくらいの薄さで挽ける職人さんが、光を透かしていかに薄いのかを見せてくれたときに、照明器具としてつくったら面白いと思いつき、試作を経て商品化したのが「山中ウスビキライト」です。一個一個木目が違うのも興味深く、ダイニングテーブルの上の照明に使われることが多いです。

奈良雄一氏

一級建築士事務所 能登デザイン室