木の文化を感じる31のキーワード

16 木の美しさを表す工芸

木の美しさを表す工芸 木の美しさを表す工芸 木の美しさを表す工芸

木を材料とする木工芸には、指物(さしもの)、刳物(くりもの)、曲物(まげもの)、挽物(ひきもの)などがあり、素材としての木の魅力を生かしながら、くらしに使われる物がつくられています。

手に馴染みやすく使い勝手のいい木の器。毎日手にふれることができ、木が一層身近に感じられることでしょう。挽物とは轆轤(ろくろ)や旋盤(せんばん)で木材を回転させながら、「カンナ」とよばれる刃物で削り出したもの。その職人は木地師といい、何本ものカンナを使い分けながら、乾燥させた材を削っていきます。カンナ自体も職人が自作しており、作業は繊細さが求められ、何十年と経験を積んでもうまくいかないこともあるそうです。樹種の違いはもちろん、同じ樹種でも木の硬さや、さらに削ったときに発する匂いまでも違います。材の取り方により、年輪に直交する「縦木取り」と、平行する「横木取り」があり、日本を代表する挽物産地の加賀市山中温泉地区では、「縦木取り」が主流です。縦木取りは歪みが少なく、割れにくく、薄く挽けますが、贅沢に木を使うため、ロスが多くなります。また大きなものには適さず、大皿やお盆は横木取りでつくられます。

Interview

くらしに溶け込む木の器

山中漆器は木の本当にいい部分だけを使いますが、皮目がついた端っこなど、本来は捨てられてしまう部分に、木そのものの魅力を感じ、素敵だなと思って積極的に使っています。山中の製材所で手に入りやすい、トチノキ、クリ、ミズメザクラ、ケヤキなどが多く、縦木取りも横木取りも両方を使い分けています。木が乾燥するときのゆがみもあえてそのままにしたり、拭き漆で木目を浮かび上がらせたりもします。漆で仕上げていない器の場合、たまに磨いたり、オイルやワックスをかけたりする手入れが必要ですが、そのひと手間も楽しんでいただければと思います。

山田 真子氏

伝統工芸師

暮らしに息づく木のぬくもり

住まいや家具、おもちゃなど、暮らしの中に木が息づき、安らぎや愛着を感じられる文化が根付いています。