木の文化を感じる31のキーワード

18 くらしのなかの緑

くらしのなかの緑 くらしのなかの緑

金沢では庭のある住宅も多く、癒やしや景観のための庭だけでなく、
果樹を植えるなど、生活に密着した庭の文化が受け継がれてきました。

江戸時代の足軽住宅では、カキやウメなど、実のなる樹木を選んで植えていました。一説にはいざというときの飢えに備えるためだといいます。また、商人たちが暮らす町家には、セドと呼ばれる中庭があり、ここでも木が植えられました。中庭は冬に屋根雪が積もりやすいことから、シンプルな造りの庭になっていることが多いですが、季節の移ろいを楽しむ場となっていました。昭和初期になると、松がよく植えられるようになり、定期的な剪定や冬の雪吊りなど、庭師による手入れがくらしの一部となりました。やがて時代とともに庭の形も変化し、現代では管理しやすい小さな木が注目されています。小さくても実のなる木や花が咲く木は、季節ごとの楽しみにもなります。

Interview

プランターで育てる木

土の庭がなくて木を植えられない方におすすめなのがプランターです。場所もあまり取りませんし、移動することもできます。キンカンやブルーベリー、モミジ、アジサイ、ソヨゴなど、あまり大きくならない木が適しています。反対に、イチョウやカツラ、ケヤキなど、成長の早い木は適していません。管理は楽ですが、水やりをまめにすることだけは忘れないようにしてください。また、木は動いたり鳴いたりしませんが生きものです。季節によって表情が変わりますのでペットに接するように愛情を持って接してみてください。家庭での緑化を進めるため、金沢市では家を新築すると、申請すれば「記念樹引換券」がもらえます。これで入手した苗木をプランターに植えるのもいいと思います。

中田祐貴氏

有限会社兼六造園

暮らしに息づく木のぬくもり

住まいや家具、おもちゃなど、暮らしの中に木が息づき、安らぎや愛着を感じられる文化が根付いています。