木の文化を感じる31のキーワード

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伝統的な庭にふれる

兼六園をはじめ、金沢のまちなかには日本庭園が数多くあり、
そこには綿々と続く樹木と人とのつながりがあり、
凛とした空間が私たちに癒やしと安らぎを与えてくれます。

大名庭園や長町武家屋敷跡界隈にある家臣の庭園、町家にある坪庭、そしておもに昭和初期につくられた個人の庭など、戦禍に遭わなかったことなどから、昔の庭園が金沢には比較的多く残り、武家文化と茶道文化が融合した金沢らしい庭園文化が根づいています。季節的な特徴としては「雪吊り」が挙げられます。北陸特有の湿気を多く含んだ重たい雪から、庭木の枝が折れることを防いでいます。雪吊りは芯柱から放射状に伸びた縄で枝を吊る「りんご吊り」と呼ばれる手法が代表的。毎年11月1日から兼六園の唐崎松(からさきのまつ)で雪吊りが始まると、季節の風物詩としてニュースなどで取り上げられます。美しい庭は人の心を癒やしてくれるだけでなく、さまざまな生きものの生息地となって都市部の生物多様性に貢献し、グリーンインフラとしてもその存在が見直されつつあります。一方で維持管理する手間や費用がネックとなり、個人所有の庭はその数を減らし続けている実情があります。

Interview

庭師の仕事

庭をつくったり、維持管理を請け負ったりするのが庭師や造園業者です。植物を扱う仕事ですので、春は木を植えたり庭造りの季節、夏は成長した枝葉の剪定・草むしり、冬は雪吊りと木々の成長に合わせて季節に応じた仕事をします。また、樹木は人より長い寿命を持っています。伝統的な庭園で作業をしますと、何人もの庭師たちが携わった樹木や庭石など連綿と受け継がれた歴史を感じる事ができます。近年では維持管理の大変さや車社会のために、個人の庭は減少傾向にあります。それでも、金沢は茶道などの文化が盛んで多くの庭園が残っているので、他県と比べると、庭師の仕事は多いと思います。

中田祐貴氏

有限会社兼六造園

歴史を紡ぐまちなみ

町家をはじめとする歴史的なまちなみを大切に守り、手を入れながら活用することで、金沢らしい景観と記憶を次の世代へと紡いでいきます。